船乗りFの「航海日誌」


   はじめに

私は東京大学海洋研究所所属の研究船「白鳳丸」の機関士です。

今回「白鳳丸」は2,000年11月20日から2,001年2月8日まで、約80日間かけて中近東のアデン湾まで海洋調査の航海に行って来ました。

今では航海中も通信衛星を使っての陸上とのメールのやり取りが可能になっていて、出航前にそれを「蔵人」のマスターに話したところ、「面白そうなので是非航海中の様子をメールで送ってくれ。」という事になりました。

以下の文章は、私がマスターに送ったメールに、帰国後加筆、訂正を加えたものです。

船上での日常などは「陸(おか)の人」達にとっては「へー!?」と思う事もあるかと思いますので、興味のある方は読んでみて下さい。

白鳳丸

総トン数:3991トン、全長:100m、船幅:16.2m、喫水:6m、
航海速力:16ノット、航続距離:12000海里、
定員:89名(内乗組員39名)、推進機関:ディーゼル機関1900馬力x4基
推進器:4翼可変ピッチハイスキュープロペラ2軸2舵
バウスラスター2基及びスタンスラスター1基
造水能力:25トン/日

 
   11月21日

昨日(20日)の14時晴海を出港しました。

昨日は少し時化ていたので、久しぶりに船酔いをしてしました。

今船はマレーシアのペナン島に向け、高知県から宮崎県の沖合いを沖縄方向へ進んでいます。ペナン島には11月30日入港予定です。

今回は取り合えずご挨拶という事で、次回からは今航海の研究目的などを送ります。


   12月4日

今日(12月4日)ペナンを出港しました。(21日にアデン・イエメンに入港予定です。)

ペナンでは、観光が主でした。

海はきれいじゃないので、個人的には海外旅行先としてはお薦めしません。
しかし、物価が安く、屋台で質素に食えば一食5〜10リンギット(1リンギットは現在約30円)150〜300円で済むと思います。

ちょっと非衛生的ですが、味にうるさくなかったらOKですね。

食べるほうは、いわゆるレストランしか行きませんでしたが、中華が多く高いところで3人でたらふく飲んで食って140リンギット、普通に食べて60リンギットといったところです。

一回だけ、昼に屋台でワンタン麺を食べたら2リンギットでした。量は多くはありませんが十分ですし、美味かったです。

12月はクリスマスだからでしょうか、欧米からの旅行者が多いそうです。リゾートは勿論、確かに街中でも今回は白人が多く見受けられました。(ちなみに私はペナンは3回目です。)

外国人もそこそこ居て物価が安いとくれば、海のきれいさに物足らなくても、ペナンへは海外旅行したなぁって感じるかも知れません。

いやー、船でメールが出来ると便利ですねー!
(もっと早くやっとけば良かったと思います。)

日本帰還まで後65日、先は長いので今日はこのへんで失礼します。


   12月25日

無事アデン出航。

このところ、東京の海洋研究所のサーバーの一時停止や、21〜25日のアデン入港に伴う本船通信機器使用不可と、メールが不通となっておりました。

21日にアデン入港、本日25日アデンを出港しやっとメールが読めます。

ここアデン湾は北に危険度3のイエメン、南に危険度5のソマリアに挟まれての海域で、ここで観測をしています。(日本標準時より6時間遅れています。)

いやはや、イスラム圏の本場の雰囲気を感じたアデンでありました。

話しには聞いていましたが、女性は外出時は黒装束で、目以外は全て包み隠しているのを目の当たりにしました。神秘的でさえありました。

入港日に給油の予定が、日本との連絡不行き届きで結局積めず、31日に再び給油のためアデンに入港します。

現在の燃料残量はわずかなので、ここで燃料を積まないと観測が予定通り出来ない上に、次の港(チェンナイ・インド)にも行けない状況です。(いや〜、こんなこともあるんですね、不安です。)

海賊が出没してる海域なので海賊対策(といっても水密扉に施錠、放水準備くらいですが)をとりながら観測を行うという日々です。

アデン(イエメン)はイスラム圏なので、クリスマスは直接は関係ありませんが、今の時期はラマダン(断食)なので、ここの人々は日中食物を口にすることは出来ません。

酒も宗教的理由なのか飲みません。不思議と人間はすれていません。

ラマダンは28日に終わり、その後はお祭りみたいです。

正月休みみたいなものでしょうか。(タクシードライバーの話を詳しくは理解していませんが、どんちゃん騒ぎだそうです。)

しかし、ここアデンで10月に米駆逐艦が爆破された事件をご存知でしょうか。
(船のすぐ横で起こったそうで、数ヶ月前の惨劇を思うとぞっとしました。)

まぁ危険度3の国、何が起こるか解らない土地です。

無事に過ごせて何よりでした。(私的には、気に入りました。)

とうことで、年末年始が不透明な白鳳丸のアデン湾でした。


   12月29日

トラブルや危険区域といっても、実質は精神的な疲労が主です。
(精神衛生上良くないと言った方が適当かも知れません)

実際は、このような変化があるからこそ、時間も早く経過する気がします。
(はっきり言ってルーティンワークの世界ですから。)

では今日は船独特の用語から。(と言っても「知ってるぜ」と言われるかも・・・。)

・ワッチ:

当直のこと。船では「当直」といって3交代制で24時間必ず誰かが仕事をしてます。(3交代といっても8時間勤務ではなく、4時間勤務を一日2回行います。)

時間の割り振りは「0−4」「4−8」「8−0」で、それぞれ「ゼロヨン」「ヨンパー」「パーゼロ」(そのままですね・・・)と呼んでいます。「次のワッチは、俺、ゼロヨンだ。」などと使います。

・ポートとスターボード(port & starboard)

船では「左」「右」の事を「レフト」「ライト」と言わず、左は「ポート」、右は「スターボード」と言っています。(略して「P側の・・・」とか「S側の・・・」などと使っています。)

昔、船が着岸する際、よく左舷側に着岸(出船)したことから左をポートと言うようになったと学生時代に同級生から聞きました。

・アヘッドとアスターン(ahead & astern)

船の前進を「アヘッド」、後進を「アスターン」とか「アスタン」と言います。

船は車で言うと「前後進4速マニュアル」です。極微速(デッドスロー)、微速(スロー)、半速(ハーフ)、全速(トップではなくて、フル)を付け加え「dead slow ahead!」「half ahead!」などと使います。

ブリッジ(船橋)では船長あるいは港湾内に於いてはパイロット(水先案内人)の指示に従って「フルアヘッド!」「フルアヘッド、sir!」などと交わしています。

こんなことがあってはなりませんが、船同志がぶつかりそうな時は、「full astern!」や「emergency astern!」ですが、エンジンも壊れよとばかりなのでしょうか、「clash astern!」などと言うそうです。
(私などは、飲みに行って気に入った女の子がいないと「アスタンしよぜ!」などと使います。)

まずはこのくらいでしょうか。

次は「私の船上での一日」・「寄港地での出来事」・「船乗りの習性」のどれかを書こうと思います。


   1月6日(新世紀のご挨拶)

新世紀あけましておめでとうございます。

新世紀・新年と言っても何も変わらない私は、結局アデン港に31日入港して油積み元日9時にアデンを出港しました。

ということで、新世紀はアデンで迎えましたが、さびしいもんでした。

船を着けた所が「岸壁」ではなく「油積み専用の岸壁」で、沖合いにポンと「岸壁」がある格好といえば分かりますでしょうか。

つまり上陸するには通船が必要なので、経費が嵩む為上陸禁止となってしまいました。

まさに午前零時を過ぎる頃、ひとりデッキに出てみますと遠く見える小さい街のどこからか寂しい歓声が聞こえてきました。

慣例にならうと船も新年と同時に汽笛を高らかに鳴らすのに、ここアデンではどこの船も汽笛を鳴らしてはおりません。(勿論本船も鳴らしません。)

実に寂しい年明けでした。
(まぁ港内は汽笛を鳴らしてはいけないらしいのですが・・・。)

今日でアデン湾の観測も終了し、一路チェンナイ(インド)へ向けて航走開始です。

元日出港後に「船の用語集」に出てきそうな出来事が起こりました。

それは「ブラックアウト」と言って、発電機が停止し船内電源が一時ストップ、その間操船は不能(dead ship)となり、海峡など船舶密集海域では起きては、あるいは起してはならないトラブルなのです。

今回は機関士の人為的ミスで起してしまい、また幸運にもアデン湾内とは言え船も周りにはいませんでしたので重大事故にならずに済みました。

「ブラックアウト」は特に機関士として起しては為らないミスです。

この機関士は茶飲み話しや酒飲み話しの話題となって陰口あるいは公然と語られることでしょう。(ちなみにこの機関士は私ではありません、ほっ。)

実際の航行中での「ブラックアウト」は私も初めて経験しましたが(停泊中では学生時代と今の船でそれぞれ1回づつ)いずれも犯人は私ではありません。(くどいか・・・)

陽も落ち辺りは真っ暗でしたので、一瞬不気味でした。

しかし、そこは船、ちゃんとバックアップ体制があり、非常用発電機やスタンバイ機が起動し1分足らずですぐに電源復旧し船内に電気が供給されました。

新世紀新年からこんな事があるなんて、やっぱ今世紀も「だめだこりゃ」ってな感じです。

さて、「船乗りの習性」というと一般論的なものを連想されますでしょうが、ここでは(そういう一面もあるかも知れませんが)、私も含めた「白鳳丸の船員の習性」ということで理解して頂きます。
(陸「おか」の世界でも同じかも知れませんが・・・。)

民間船会社では乗船者はその都度変わります。官庁船でも水産庁や航海訓練所などの大所帯の所は、やや船会社に近い印象を受けますが、どうでしょうか。

ところが県の船や大学の船などのいわゆる「一杯船主」のように船が少ない所では、乗組員は誰かが定
年や依願退職などで辞めない限り新しい人は入ってきません。
(つまり人が淀んでいます。)

人が淀むと、なかなか人付き合いも面倒くさくなってきます。気の合う者同志が固まり、気の合わない者を排除しようとする傾向にあります。(故意に、あるいは自然とその「グループ」は出来上がるようです。)

寄港するとその行動が「お互い」気になるようです。

やれ、あそこの中華が安いだの高いだの、タクシー代ぼられただの。土産でめぼしい物が見つかると誰にも教えずに、こっそり自分達だけ買い込んで出港後に自慢しまくります。

なんか寂しい思いが致します。
(もっともっと心を豊かに出来ないのかなぁって思います。)

あと船内生活に飽きてくると決まって出るのが「食事の不味さへの不満」です。
(これは司厨部「船のコック達」への不満でもあります。)

ご承知の通り、船では欲望が制限されますので、食欲に懸ける乗組員の意気込みはすごいものがあります。

はっきり言って海洋研究所の船は飯が不味い!

そこで乗組員は食材を買い込んで仕事の後の一杯のつまみに全霊全魂を注ぎ込んで、(時には仕事そっちのけで)ギャレー(船のキッチン)で「仕事」してます。

中には司厨部員(船のコック)より腕の立つ人間がいて、まったく採用部署を間違えたとしか言えない者がおります。

そういう人に限って釣りキチが多いようです。

昨日もキハダマグロを釣った人がいて、船内大騒ぎです。中には「食える」と思って大騒ぎしてる人もいます。(そんな人はたいてい「排除」されている人間のようです。)

そんな事に一喜一憂してる我々です。

恵まれているんでしょうか。もっともっと厳しい世界で生きている人もいます。
(きっと恵まれているんだと思います。)

ちゃんと働かなくてはという気がしてきました。

航海も半分を過ぎあと35日で東京です。

試験勉強もまたまた停滞気味。ここが勝負所です。奮起して頑張ります。


   1月12日

船はその後順調という事にしておきます。
(書くのもアホらしいし・・・。)

相ワッチ(同じワッチ)の上司も扱い様によってさほど苦にならなくなりました。
(というよりほとんど無視ですが・・・。)

今日予定どおりチェンナイに入港します。

インド洋では「グリーンフラッシュ」はなかなか見れませんでした。
(かのアデン湾では結構見れましたが・・・。)

知ってかも知れませんが、「グリーンフラッシュ」とは日没時、太陽が水平線にすっぽり隠れる瞬間、数学的に言うと接線と円弧が重なる交点が気象・空気の具合によってまさに「グリーン」に光ります。
(写真に撮ろうと挑戦しますがなかなかうまくいきません。)

昨日主席研究者による乗組員のための研究成果報告会がおこなわれました。
(こんなことは初めてなんです。)

やはり危険海域に来ていることへの研究者の配慮かと思います。

こんなに成果あがりましたーってリップサービスですね、たぶん。
(今ちょっと時間が無いので後日内容はメールします)

なぜか「天国と地獄」だなぁと思いました。
(その心も後日メールします。)

チェンナイ寄港中は無事に「たかり」や「すり」などに会わぬ様、気を付けて行動しようと思います。
(またエピソードがあるといいんですが。)

例によって寄港中17日まではメールが不通となります。


   1月20日

17日にインド・チェンナイを出港しました。

いや〜、インドは好きでないと来れませんなー。(たかりとほこりの国。)

岸壁と街の間に門があり、そこで先ず身元チェック。

何か持っていると、「何だ、これ?」としつこい。
(私は吸わないけれど、たばこをやるとフリーパス。何なんだこりゃ。

オートリキシャ(3輪タクシー)は乗る前に料金の交渉から始まる。行き先を言って値段を聞き、それを値切る、たいていぼったくる。

目的地に行く前に土産物屋に寄りたがる。

それを振りきったと思ったら、「さっきOKした行き先は遠いから、いくらいくらじゃないとダメだ」などと言い出す。(まったく、うんざりです。)

街は排ガスが充満していて、しばらく外にいると頭が痛い、喉は変、咳・たんは出る(おやじですね)。もう、うんざりです。

個人的には、タージマハルには行ってみたいが、インドはもういいや。

東京まであと3週間です。

ベンガル湾は波がきついです。
しばらくここで観測し、12〜3日かけて一路東京へ向かいます。


   1月26日

今日まででほぼ観測は終了し、明日には日本へ向け航走します。(やっと日本が・・・・。)

さて、この度の航海の研究成果の報告会が先ほど行われましたが、その際配られた資料から抜粋して記したいと思います。
(なお、文章は研究者のものですが、彼らに無断で掲載することに何ら問題は無いと思いますが、少々危惧しております。)

今回のメインでありましたアデン湾。(ここアデン湾に大陸分裂と人類進化の謎があると研究者は考えました。)

アデン湾(アラビア半島とアフリカ・ソマリアに挟まれた海、紅海に続く)は地球上でもっとも最近起こった約3千万年前の大陸分裂によって生まれた海として知られているそうです。

この時の超大規模な火山活動によってアフリカ大陸が南に東アフリカ地溝帯、北に紅海、東にアデン湾が出現します。(何でも大陸が分裂する時は3方向に亀裂、いわゆる地溝が入るそうです。)

アデン湾は約2千万年前にソマリア側のアフリカ大陸とイエメン側のアラビア半島が離れはじめ、年2cmのスピードで現在も拡大しているそうです。(小さい海だが中央部には立派な中央海嶺があり活発な火山地震活動が起こっている。)

地球の歴史上何度となく起こった大陸の分裂と移動は、他の惑星には見られない地球特有の現象で、地球で生物が進化し、地球の環境が生物に適したように保たれているのは、ダイナミック且つ長期的に変化する大陸の分裂、移動、衝突が重要な作用をしていると考えられている。

大陸の分裂は明らかにマントルの移動と関係しているが、その事態は未知の部分が多い未解決の重要問題だそうです。(その大陸分裂が現在進行形で起こっているアデン湾はこの問題を解く鍵を与えてくれそうだと研究者は期待している。)

アデン湾地域はまた、人類の進化、起源問題でも興味ある海域だそうで、アデン湾奥のエチオピア・アファール地方(ジプチの西隣り)とそこから南に伸びる東アフリカ地溝帯は人類発祥の地としてよく知られている。

現在正式に報告されている最古の人類化石はジプチ西方200kmの地点から発掘されていて、ちなみに440万年前の人類化石だそうです。(これ以降、ヒト科の新種は我々ホモ・サピエンスに至るまで、すべて東アフリカ地溝帯の中で発生し、進化してきました。)

以上のような興味尽きないアデン湾は世界各国が注目し、93年と2000年にフランスが、2001年日本(今回)、2001年4月オランダ、02年と03年に再びフランスと深海掘削航海が続きます。

このようにし烈な各国の競争の中、今回は多くの成果を挙げ今後のアデン湾研究に大きな影響を与えることになりそーです。

今回の成果

1:アデン湾中央海嶺の全貌を初めて明らかに

シービームシステムによりアデン湾の中央海嶺の全貌が明らかとなった。(シービームとは超音波を海底に向け放ち、海底地形からの反射波を受信、地形を平面図や立体的な図に現すシステムで、要は船がある範囲を隈なく走り回るだけなんです。(今まで走り回った船が無く、たまたま本船が初めて走り回っただけかも・・・・)

今回新しい機器を導入しその精度も良くなり、正確な地形が解ったそうです。(この海底地形はさまざまな研究観測の基礎になり、観測位置決定の原図となります。)

2:アデン新世紀ホットスポットの発見

アデン港沖にホットスポットを発見、「アデン新世紀ホットスポット(Aden New Century Hotspot)」と名づけたそうです。(ホットスポットとは、地球深部、数百kmから上昇してくる高温マントルによって生じる火山のことで、大陸分裂などの地球表面に様々な影響を及ぼします。)

このHotspotはアデン湾の分裂を引き起こしたHotspotのなごりだと推測され、アデン湾の中央海嶺に大きな影響を与えていると考えられる。

このホットスポットの中心にある海山を「アデン新世紀海山」と命名し、西側ピークを「アデンピーク」、東側ピークを「白鳳ピーク」と名づけました。
(ちなみに白鳳とは本船「白鳳丸」の白鳳です。)

ドレッジ(海底の岩や石を採取する観測の名)によって取られた溶岩の微量元素分析により、どのくらい深くからマントルが上昇してきたかを求めるそうです。

3:アデン湾内に活発な熱水活動を発見

アデン新世紀ホットスポット地域に2か所の活発な熱水活動の兆候をつかんだ。

インド洋全体ではまだインド洋南部で熱水地域が1か所のみが発見されているだけなので、本発見は重要な貢献になる。(今後はフランス、イギリスとの共同で、無人潜水艇による観測計画が進められることになっている。)

4:アデン湾で初めて海底地震観測に成功

アデン湾で初めて海底地震観測に成功した。

2001年に計画されている米国の海底地震計観測、2002年に計画されているフランスの海底地震計観測に先駆けての観測です。(アデン湾の地殻構造、地震発活動についての新発見が期待される。)

5:アデン湾で初めて海底電磁気観測に成功

これもアデン湾初の観測で、大陸分裂を引き起こしたマントルの構造が地下500km程度のまで解明されるそう。

6:アデン湾ピストンコアトランセクトに成功

アデン湾を東西に横切って4本のコアを取ることに成功した。
(ピストンコアとは、直径10cm長さ5〜15mのアルミ製の「筒」を海底に突き刺し地層をそのまま採取する観測のことで、この地層を分析することで、人類進化と気候環境変化の関連を解明する手がかりとなるそうです。)

7:深海掘削事前調査完了

日米仏共同提案されているアデン湾深海掘削予定地の事前調査を実施、この結果を国際深海掘削計画委員会に提出することによって、過去500万年前の人類進化のしくみの解明を目指した掘削の実現性(2003年予定)が一挙に現実味を帯びてきます。

以上が主な成果ということです。


世界の著名な研究者は一度はこのアデン湾の観測をし、論文を書いているそうです。

はー、そうなんですか?という感じで具体的に理解は難しいのですが、海底での観測が、大陸の分裂移動のメカニズム、人類の進化や起源に関連したことに繋がるとは想像を絶しますが、面白いことだと思いました。

そうそう、前回「天国と地獄」だと思った意味ですね。

この報告を聞いて、何と言ったらいいのか、つまり、好きな事を研究できて飯食ってる研究者が天国で、それに付き合わされてまずい飯食ってる我々は地獄だなぁと思った次第です。

まぁ、自分は「船乗り」が好きなので船の種類は関係ないのです。(以前は漁船でしたが。)

私見ですが、医者は本当に選ばれた人しかなれないと思っていました。(最近はそうでない人が増えてるようですが・・・)

研究者の話しを聞いていて、研究者もやはり選ばれた人しかなれないんだなぁと思った次第です。

こじつけですが、そういう研究者をサポートする我々もやはり選ばれた人たち?と言えるんじゃないか、いや待てよ・・・・、そうすると人は皆、選ばれてそれぞれの舞台で花開き、人生を送るのだと悟った次第です。

そう皆が主役なんですね。

お後がよろしいようで・・・。


   1月28日

船はすでに東京へ向けて航走中です。

日本との時差2時間、今晩また1時間進めますので時差1時間となり、明日早朝にマラッカ海峡に入り、日中のうちに通過する予定です、またそして最後の海賊対策です。


   2月5日

さて、80日の航海も2月8日の入港まであと残り3日となりました。

本船白鳳丸は現在鹿児島・屋久島種子島の辺りを冬の低気圧に追いかけられながら東京へ向かっています。

どうも静かには帰してもらえない様です。

しかし、BSも映り、やっと日本に帰って来たと実感しております。

以上