シンガポール通信 2
早いもので、蔵人のホームページに最初に投稿してからあっという間に4ヶ月半が過ぎ、またシンガポールで働き始めてからも既に5ヶ月以上過ぎてしまいました。
私の勤めている学校では様々な言語が聞こえてきます。
英語だけでも3種類、米語、英語、そしてシングリッシュ(星語?)。
それだけでも判り難いのにニュージーランドなまりの英語だったり、フィリピンなまりの米語だったり。。。。。
その他日本・中国・タイ・ベトナム・インドネシア・インド・韓国・ネパール・ミャンマーなどなど様々な国の様々な言語が聞こえてきて、とっても面白いのですが、反面 頭がパンクしそうです。
日本人に日本語で話しかけられているのに中国語だと思いこみ、もう少しで「Can you speak English?」と聞きそうになった時は我ながらショック!!自分の耳を疑ってしまいました。
でも、最近では私も負けてません。
「Did you say that, でしょう?」、「だからI arranged it already よ」などと立派なジャパニッシュ使いになってしまいました。
良いのか悪いのか。。。。。様々な言語を話し、様々な文化を有する人達がひとところにいるとお互いの誤解やカルチャーショックなど本当にいろいろなことが起こります。
「日本人だったらこんな言い方はしないよね」とか、「日本だったら考えられない」、「何でそんな風に考えるのかなぁ」などと思うような事が起きても、ここは日本じゃない!、私は日本人じゃないって言われてしまえばそれまで。。。
理解しがたいことや納得できないことは日常茶飯事、山のようにあります。
ですが、人間、言語や文化がどんなに違っても、本質というものはどこの国でも同じで、正直な人、一生懸命頑張る人には一目置くし、ただ高圧的な人、ルーズな人、ずるい人には生徒さん・学校スタッフともに同じように反応します。
当り前と言えば当たり前でしょうが、言語や人種、文化に関係なく「人間感じることは皆同じ」なんだということが分かっただけで、安心しました。
なんと言っても私は外国人だし、その上英語もまだまだ不十分でおぼつかず、全て信頼されているというわけではない上に、コミュニケーションも今ひとつなので、今はただ裏表なく頑張って自分の出来る仕事をこなしていくしか能が無いのです。
なので、その頑張りを認めてもらえなければ私がここにいる意味が無くなってしまうと危機感を感じていたのですが、最近は「頑張ってるね!」って声を掛けられるので、やっとホッとしました。
でも英語はまだまだ。。。。もっと勉強しなければ!とつくづく反省する毎日です。
*「男子厨房に。。。。」
シンガポールに赴任している日本人ビジネスマンのうち支店長クラスの方のなかには単身でいらしてる方が意外と多いようです。
おそらくお子様の進学の関係でご家族と離れて来星されているのでしょう。
奥様達は「うちの旦那は1人できっと淋しい生活を送っているのだろう。。。」、「私がいなければ家の中のことなんて何一つできないんだから、今ごろはきっと私の有り難味がわかっただろう。。。」、などと思ってはいられないほど、こちらで暮らしている男性陣は本当に自分の生活を楽しんでいます。
テニス・ゴルフが日本に比べ安く出来るので週末のテニスやゴルフを楽しむのはもちろんですが、家事すらも十分楽しんでいる方が結構います。先日学校の中国語クラスの生徒さん(50代前半の男性)のホームパーティ―に呼んで戴いて、びっくり!!
当日は女性が少ないと聞いていたし、本人からも「ちょっと早めに来て手伝ってね」と言われていたので、やっぱり女手がないとなぁ〜なんて思っていたのですが。。。。
家はきれいに掃除されているし、私が到着した時にはお料理も全て終わっていました。
そのお料理もまず前菜が5種類くらい和風のお皿にきれいに盛り付けられていて、その後メインの「名古屋味噌鍋風おなべ」。
その辺の和食屋さんで食べるよりはるかに美味しく、それだけでも「すごい!!」と思っていた後、筍ご飯が登場。
関西出身の方なので、味付けは薄味でいながら、しっかり良いお味がついていて、美味しいこと。嘘やお世辞でなく本当に美味しくって、おなか一杯だったのに思わずおかわりをしてしまいました。
前日から買物に行って仕込をしたんだよ、なんて嬉々として話している様子はなんだか可愛らしい!後日 「おなべの味を研究して更にグレードアップさせたから食べにきて」とお誘いを受け行ったところ、本当にさらにさらにお上手になっていて。。。
お料理だけではなくお家に観葉植物を飾り、家の中も以前にまして綺麗になっていたのには驚きました。
そして何よりも家事を心から楽しんで暮らしている様子を見て素敵だなぁと感心。
男子厨房に入るべからずなんて古臭い、これからは男子厨房に大いに入るべき!と実感しました。
お料理のようにクリエイティブな作業を楽しまないなんてもったいない!!と思い最近では友人・知人のご主人に男の料理教室に行くことを薦めている私です。
*「ジョージ先生」ジョージは私が毎週一回取っているプライベートレッスンの先生です。
日米のハーフで、今年56歳ですが、とても若々しいステキな男性です。
友達に「永ちゃんみたいな感じ?」と聞かれましたが(ちょっと古い?)、矢沢永吉とはちょっと雰囲気が違うけど、かなり若々しくGパンがすごく似合う人です。
そんなジョージのガールフレンドはなんと、26歳年下!!の30歳。 (犯罪だぁ、若すぎるぅ)
でもきっと二人が並んでいても全然不思議ではないような気がします。
ジョージは発音に厳しく毎回単語の発音を細かくチェックされ、繰り返し繰り返しやらされていたので最初はかなり凹みましたが、最近ではよくプライベート話もするようになりました。
ジョージが生まれたのは1947年。
あの時代に日本人の母親と米国人の父親の間に生まれたので、小さな頃から苦労しただろうなと想像はしていましたが、私の想像など及びもしないほど苦労したようです。
彼は生まれてから暫くは孤児院で生活し、5歳の時にお父さんがアメリカから戻ってきて初めて家族が一緒に生活出来るようになったり、少年〜青年期にアメリカで日本人の混血という理由でいじめられたりしたそうです。
そんな生い立ちだとか苦労があり子供心に傷ついたからでしょうか、ジョージは本当に心優しく、ふんわりと人を包み込むような雰囲気があり、思わずいろいろなことを相談したくなってしまいます。
レッスンそっちのけで、人生のこと・仕事のこと・将来の夢のことなどなど話し込んでしまい(もちろん、日本語で)少しも英語が上達しない今日この頃です。。。。。。
そしていつもこの優しさに包まれているジョージの彼女のことを、ちょっぴり羨ましく思ってみたりもします。
*「生サソリ!!」この前 夜の9時過ぎでしたが、学校の前で生さそりを見ました!!
学校はとんでもない田舎にある訳ではなく、ラッフルズホテルの裏にあるんですよ。
都心ですよ、都心。
それなのに道にさそりがいたのよぉぉぉぉぉぉ!!
スクールマネージャーの女性が「さそりだ!!つぶせっ!!」って生徒さんに踏み殺させてた。。。。
でも、自分はしっかり距離を置いていた。。。。
びっくりです。
トロピカルだわぁと妙に感心しつつ、その後家に帰ってもスリッパを履く前とか庭に出る時とか足元を確かめるようになってしまいました。。。
家のほうが郊外にあるし、小高い丘の上に建っているので、サソリ以外にもいろいろ出てきそう。
そのうちコブラでも出てきたらどうしよう。
そんな目に会ったらとっとと日本に帰ります!!
昨日ジョージのレッスンがあったので、さそりの事を話したら大して驚きもしなかった。
「普通のことなの?」って聞いたら「僕は刺されたことあるよっ」って普通に言ってた。
毒が体に回っていくのが判ったよっ、でも茶色のサソリは刺されても死ぬことはないから平気だよって言われてもねぇ。。。。
おまけに以前 コブラを3匹捕まえたことがあるとも言ってた。。。。。
さすがにコブラが出てきたのはマレーに近い山の方に住んでた頃だと言ってたけど。
その上 昔娘さんとパイソン(たぶん大きなニシキヘビみたいな蛇のことだと思う)を捕まえた時の話をしだし、なにがおかしいのかずっと笑いながら話していた。しかも笑いすぎ。
パイソンを捕まえた時は娘さんもまだ小さかったはずだし、もし巻きつかれでもしたらどーすんのよ、変だよ!ジョージ!! って心の中で叫んでしまった。
*「嘘つき」
問題児がいます。
日本人の女性です。学校は休む、遅刻はする、注意してもどこ吹く風といった感じで翌日も遅刻。
日本人は結構真面目に勉強する子が多い中、彼女は異色中の異色です。
シンガポール移民局はとっても厳しく、学生は出席率が90%以上ないと学生ビザの更新ができません。
彼女はここ半年90%どころか70%そこそこ。
これでは次の学生ビザ更新はもとより、もし彼女が他の学校に移りたいと思っても、シンガポールで働きたいと思っても移民局に記録が残っているので、どちらも許可がおりないでしょう。
先生が叱り、コースコーディネーター(日本人)が叱り、受付のおばさん(私のこと)が叱り、それでも改まらず校長(日本人)が彼女を呼び出して叱っても「判りました、ごめんなさい」と言った翌日にはまた欠席。。。。。
受付のおばさんは怒って「こんな嘘つきは当校にいて下さらなくて結構です!!って言ってやるぞっ!」と喚いていたら、皆に止められました。
そんなことしたら、生徒の大多数がいなくなるですって!
そうなんです、今この学校にはベトナムからの留学生が多く、ベトナムの生徒はほとんど全員、多かれ少なかれ嘘をつきます。
彼らの嘘は一貫性がなくみえみえだしすぐばれるのですが、本人達はあまり嘘を言っているという自覚がなく悪びれてもいません。
なんだかんだ理由を考え出し、授業はサボるのに学校には来ていてぶらぶらしている。。。
受け付けに顔を出し、私たちをからかって帰っていく。。。
子供じみていて可愛らしいといえば可愛いのですが、どんな他愛のない嘘もほとんど習慣的に口から出てくるのには心が痛いです。
一体どうしてこんなにも嘘をつくのだろう?
文化の違いから来るのかもしれません。
ベトナムからシンガポールに留学している子供達は裕福な家の子だったり、政府高官の子供だったり、かなり恵まれた環境に育った子達が多いです。
ベトナム人のスタッフも言っていましたが、ベトナムではお金で何でも買えるし(学歴すら買える)、大抵のことは何とかなることが多く、きっとこの子達も小さな頃から大人のすることを見て育ってきたのでしょう。
嘘は呼吸するみたいに自然に出てきて、何かあれば学生ビザもお金で買えると思っている。。。。。
やばいことになったらパパに頼んでお金を出してもらおうと思っている。。。。。
決して性格の悪い子達ではなく、どちらかといえば純粋で可愛いところのある子供達なのに楽な方楽な方に流れてしまう。 中には言い訳することに時間を費やすだけだったり、生きているのかどうか分からないような子もいて悲しくなります。
「君は若いのだからこれからどんなことだってできるし、可能性は無限大にあるんだよ。
自分の時間を無駄にしないで!」なんてお説教をしてしまい、 コースコーディネーターの日本人女性に「おばさんっぽいですよ、それ!」と言われてしまうこともしばしば。
最近では生徒からもJapanese Aunty(日本人おばちゃん)と呼ばれてしまい、名実ともにおばちゃん街道まっしぐらです。。。
悲しい。。。。 おばちゃんって呼ぶなっ!!
ついつい「何?」って返事しちゃう自分も悲しい。。。。
*【テリーフォックスラン】テリーフォックスランというチャリティーマラソンがあります。
マラソンといっても5KMか10KMのコースを走るか徒歩で回るものですが、参加費がガン研究のための基金になるというものです。
日本にいる時には都合がつけば必ず参加していました。
6月に偶然街でテリーフォックスランのTシャツを着ている人とすれ違いひょっとしてシンガポールでも開催しているのかもしれないと思い、周りの人に聞いていたところ、友人がテリーフォックスランのお知らせを見つけてくれました。
9月21日(日)セントーサ島にて4KM・8KM の2コース。
やった!!当然私は参加を決めました。
6月から3ヶ月待ちに待っていたテリーフォックスランの前日、夕方からおなかの調子が悪くなり不安がよぎりました。
子供の頃からピアノの発表会の前や遠足の前日から具合が悪くなり、当日行けなくなることの多かった私。
恥ずかしい話ですが、大人になってもそのくせが変わらず、楽しみにすればするほど具合が悪くなったりしてしまうのです。
この時はすぐおさまったので良かったと思って早めに寝たのですが、それから3時間もしないうちに猛烈な痛みと吐き気に襲われ、上からも下からも...という状況になり挙句に熱まで出てしまい、結局楽しみにしていることほどダメになるといういつものパターンどおりにテリーフォックスランを断念。
ク・ヤ・シー 出たかったよー
日曜日は一日寝て過すことに。
あまり経験したことのない痛みと下血についつい弱気になりこれは赤痢かもしれない、もしかしたら劇症肝炎かもと心配になり、海外で死んだら家族や友達に何も言い残せないんだと心細くなり、思わず遺書を書こうかと思ってしまいました。
便箋買いに行こっ!
*【痛っ!!】断念したテリーフォックスランの翌日の月曜日、まだおなかが痛く結局学校をお休みすることに。。。
火曜日にやっと学校に復帰し夕方まで全く普通に仕事をしていたのに、5時過ぎた頃突然激痛に襲われ、暫くすればおさまるかと思っていた痛みが全く和らがず逆に痛みが増していく状態でついに立っていられなくなり友人に付き添われタクシーを飛ばし学校の近くのラッフルズホスピタルに駆け込みました。
病院に到着した時にロビー受付で熱を測ったり、パスポートナンバーを紙に記入したり(未だに病院ではSARS対策として来訪者に義務付けてます)時間が掛かり、あまりの痛みに我慢できなくなり、日本語を分からないのをいいことに、「おじさん、早くしてぇ〜生むぞっ!!」と訳のわからないことを叫んでしまいました。。。。
ドクターに会ったときにはドクターもビックリするくらいの「痛みによる低血圧状態」になっていたらしく、私が倒れるかも知れないと思っていたらしい。。。。。
目の前がふわふわするほどの低血圧状態に急激に陥るのはかなり重篤なケースが多いので、倒れていたら入院させるつもりでしたと後で言われ、倒れなくて良かったとホッ。
でも、人生の中で一度も気を失ったことのない私は痛みで気を失うなんてなんだかはかなげでいいじゃない?なんて馬鹿なことをちょっとだけ考えたりして。
レントゲン/採血など、診療時間外に急ぎでやってもらい、結論はウィルス性の胃腸炎だったのですが、新しい環境によるストレスとか疲れが出る頃だったこととシンガポールに蔓延しているウィルスも初体験、その上私の場合過去に手術を受けた経験があるので体の中に癒着した部分があり、そのため腸の収縮に伴い痛みがひどく出たとの説明。
小人が10人くらいおなかの中にいて、横一列に並んで爪を立てておなかの内側の壁をずり落ちていくような、大きな手で腸をぎゅっとねじられるような、腹筋を5,000回くらいやったあとの筋肉痛のような(やったことはないけど。。。。。)、 どこがどんな風に痛いのかも分からないような強烈な痛みでした。
癒着がある場合、人によっては腸閉塞になったり腹膜炎を起こすことがあるので気をつけなさいとの事、これって私の持病って事になるのかしら。 やっぱり遺書を書いておこうと改めて思いました。
とにかく、本当に痛かったぁ。。。。 治療費も痛かったぁ。。。。。
診察が終って請求書を見た時には今度こそ気絶するかと思った!!
今月は私の愛用の時計の治療と自分自身の治療のためあっという間に1,000ドルが吹っ飛んでしまいました。
でも、時計の治療代のほうが人間の治療代よりも高かった。。。。
「何で?」
2,003年9月27日 From Singapore By シェルピンク
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