阪神タイガースについて
                            オレゴンの河辺にて
                            チャーリー・タイガー・Y

今日は7月末日である。

この時期に阪神タイガース優勝のマジックが出ている。

この事について、毎年最後の試合まで阪神の勝利を喜びつづける生粋のフアンA派は、当然のことと受け止めていることを、まずお伝えしなくてはならない。

今年のタイガースは違うと今までにない愛団心を燃やしたり、毎年の巨人の活躍の陰に隠れて、自虐的に耐え忍んでいる生活から久し振りに抜け出てきてはしゃぐ阪神ファンB派とは明確に異なるわけで、極めて冷静でいれるのである。

しつこいようだが、「当然」なのである。

極めて冷静という事は、常と異なりこのような文を書く事自体、小生のスタイルに合わないわけで、18年ぶりに喜びを隠しかねているという誹りを受ける可能性についても予測しないほど、トンマではない。

では何故、今この時期に「阪神タイガースについて」書くのか?

答えは、ずいぶんと簡単である。

前回優勝したときに貸切でビールブッカケをやった新宿歌舞伎町の某スナックのマスターが、彼のHPの中で、「今年もそろそろ準備やろうかなあ」と小生に挑戦してきた。

アメリカで仕事をしている身であるが、この問いには答えないわけにはいかない。

もう賢明な読者は理解していると思うが、小文のテーマは「今年の阪神は何故強いのか?」ではない。

「今年」とか「今の陣容であれば」とかいうところに限定し自分の思考、嗜好、態度を変えて行くカメレオン型が、将にファンB派的であり、流行に左右される昨今の日本の似非文化の悪い面でもある。

小生は、歴史の中に現在を位置付け、今いる場所、状況の意味を探ってゆく歴史的・比較文化論的アプローチで阪神の今年のキーワードを解いてゆきたい。

阪神は前回優勝から18年目の今年の活躍であるが、18という数字をしっかり見てゆくと、「1+8=9」つまり「カブ」である。

まさに吉兆の数字。

今年の阪神の活躍は、昨年シーズンが終わった段階から決まっていたのである。


このことを指摘していた野球評論家が皆無であった事、また阪神フアンが皆無であった事は、嘆かわしい事でもある。

勿論小生は先の優勝の時から、次は「18年後」を予測していたのはいうまでもない。

小生が小学3年の時からつけている日記の1985年(昭和60年)10月16日に、酔いのためかフラフラした手ながら、はっきりと予測してあるので間違いはない。

では何故9年前の1994年は優勝しなかったのか。

この点については、後述するはっきりした理由がある。

これは、多分・・・余り関係ないと思うが、18といえば、マージャンでは「インパチ」親のハネ満である。

親も跳ね回るくらい喜ばしい数字であることも頭の中に入れておいてもいい。

さて、「カブ」に戻ろう。

「カブ」といえば、アメリカ大リーグではサミーソーサのいる「シカゴカブス」である。

シカゴカブスは、優勝から最も遠く、しかし熱狂的ファンのいるチームとして有名であり、アメリカ人の中でカブスファンといえば「がまん強いファン」の形容詞でもある。

一部の阪神ファンの中には同じような言葉で、他の球団ファンに心無い非難、嘲笑を受けた方もいるかもしれない。

この頃の日本人は忘れた振りをしているが、信念を持つ事は恥ずかしい事ではない。

シカゴは、隣のデトロイト(タイガースが存在)と共に、アメリカの60年代70年代の栄光を自動車産業で引っ張った工業地帯である。

その立地は、かつては鹿児島からの金の卵が集団就職列車で、大挙して訪れ、働き、家庭をもち、反映の底辺を支えた阪神工業地帯と似た面をもつ。

ファン気質も共通なのかもしれない。
 
残念ながら、今年もカブスは低迷しているので、米日の勝ち負けの関連は、考えにくいが、コルクを入れてホームランを打つのと、相手の守備にメガホンを投げ入れて妨害するのとは、共通点があり、ほほえましい。

統計でみると、タイガースは戦後58年で、今年を入れて5回優勝している。

11.6年に一回の計算である。

戦争で野球のなかった1945年をはさんだ、戦前戦後の10年は10年で4回の優勝である。

これは2.5年に一回という事で、昔の阪神フアンは、今より随分多く「優勝」の二文字をエンジョイしていたらしい。

戦後だけみると、前々回から前回までが21年、前回から今回が18年と、後半は、また随分ピッチが遅くなってきたようだ。

前述の歌舞伎町の飲み屋のマスターが奇しくも書いていたが、前回の優勝の時、我々はどのようにして祝うべきかをも知らずに、ただただわいわいやっていただけである。

なにせ、前々回の時は、皆子供だったのだ。

むなしい。

さて、何故これほどまでに阪神タイガースは弱くなったのであろうか。

そして何故今年は強いのか。球団がケチで、いい選手を取れなかったからか、いい監督がいなかったからか、ファンが悪いのか。今年は違うのか。

小生はこれらの問いに全て「NO」と答えたい。

世の中が阪神の大勝利を求めなくなったからである。

巨人も段々その状況に陥りつつある。

古くは義経、近代では力道山、阪神、巨人、大鵬、各々のファンのベースは違うが、日本人は、もう何かに投影して、擬似の自己実現をする必要がなくなったのである。

全てわかっているのである。

今年の優勝は決まっていた、仕組まれていた事であり、それを知りつつ、騙されたふりをして、楽しむ、高度なファン気質がこれからは求められてくる 。

阪神ファンA派は、それをズーッと前から先取りをして、来たのであるから、偉い事この上ない。

繰り返しになるが、野球は一試合一試合、勝ちを喜ぶを最良とすべきで、シーズンのトータルは、自然界のルール、KARMA、サイババ、白装束、経済、オーナー会議等で現される何かで決定されているのであるから、極めてゆったりした気持ちで、受け入れるものなのである。

チラッと聞いた話で、真偽の程は確かではないが、阪神球団は、ケチなので、シーズン前にどこかで開かれる(スイスのバーゼルであるという情報もある)、優勝チーム決定会議で、この17年間、優勝希望と挙手して名乗り出た事がなかったらしい。

ムベナル哉である。

今年は流石にまずいと思ったらしい。

ということで、まあどこから見ても今年は阪神球団が優勝し、旧南海と覇を争う事になる。

フォークスファンでもある小生が、日本にいない時に、この廻り合わせが来るという事は、きっと小生個人にもいい事があるに違いないと、我田引水で小文を終わりにするが、優勝決定をどこで祝おうかは、まだ決めていない。

同好の友と語り合うという喜びは、上に記した内容とは若干異なっても、矛盾はないと思う。

前回と同じく新宿歌舞伎町でのビールかけが、東京の正統であろうが、アメリカからオンタイムで、優勝にあわせて駆けつけるのも至難、仕事をホッポリ出して10日位東京に潜むという手も周囲の賛同は得られそうもない。

もう少し考える時間が欲しいが、そうも言っておれない時期に来ているようだ。